プロが実践するだし汁の作り方をマスターすれば、いつもの食事がワンランクアップします。この記事では、かつお節や昆布の基本的なだしの取り方や簡単料理をご紹介。だし巻卵、パスタ、和え物など初心者でも気軽に作れる幅広いレシピを集めました。

<目次>

  • だしを使ってプロのおいしさを実現できる方法とは
  • プロが実践する本格的なだし汁のつくり方

・かつおだし

・昆布だし

・煮干しだし

・干し椎茸だし

・合わせだし

  • おいしい出汁を取るために使う材料の選び方
  • 簡単にだしをとるための方法とは
  • 出汁をつかったおいしいレシピのアイデア

・だし香るふわふわだし巻たまご

・かつおだし風味の赤味噌ボロネーゼ

・さっぱり!鮭とアスパラガスの南蛮漬け

  • だし汁の作り方をマスターすれば料理がワンランクアップ
  • だしを使ってプロのおいしさを実現できる方法とは

だしは、「食材の旨味を煮出した汁」のこと。だし自体も風味豊かな味わいであり、料理のベースとなったり、素材の味を活かしたりと日本で古くから愛されてきました。

日本の和風だしは、長時間熟成された厳選素材を使うことがポイント。プロの料理人は、素材選びにこだわり、丁寧なだしの取り方で、おいしい料理のベースをつくっています。

プロの味を実現させるためには、よい材料を選び、正しい方法で出汁を取ることが重要です。

  • プロが実践する本格的なだし汁のつくり方

料理をプロの味に仕上げるべく、必要な和風だし汁の作り方をご紹介します。かつおだし、昆布だし、煮干しだし、合わせだしと手間がかかるものもありますが、基本を覚えてしまえば簡単に感じるはずです。

・かつおだし

かつおだしは、和風だしの中でも代表的なだしです。香り高くやや酸味のある味わい。うま味成分はイノシン酸です。コクがありそのままでもおいしいだしなので、すまし汁やお吸い物など、出汁が主役のお料理にぴったり。

かつおだしは魚介風味であるにもかかわらず、さまざまな日本料理にしっくりとなじむ万能選手です。

・だしの取り方(水1ℓに対しかつおぶし30g)

  • 鍋にかつおぶしを入れた水を入れ、沸騰させます。
  • かつおぶしがなべ底に沈むまで待ちます。
  • 布巾などを敷いた、ザルでこします。

・昆布だし

上品でうま味のある昆布だしは、味の主張は控えめですが、素材の味を引き立ててくれます。

まろやかな味わいなので、おひたしや煮物に使うのがおすすめ。うま味成分はグルタミン酸で、料理がやさしい味に仕上がります。動物性の食材を使わずに調理する精進料理にも好まれるだしです。

・だしの取り方(水1ℓに対し昆布10~20g)

  • 固く絞った濡れ布巾で軽く拭いた昆布を、鍋に入った水に入れてつけ置きする。
  • 一時間ほど置いたら、鍋を中火にかけ沸騰直前で火を止め昆布を取り出す。

※沸騰させると昆布からぬめりが出てしまうので温度には注意しましょう。

・煮干しだし

煮干しだしは少し苦みをともなったコクのある味わいで、みそ汁や鍋料理などに向いています。いわしなどのさまざまな小魚を乾燥させたものです。

煮干しのうまみ成分は、かつおぶしと同じイノシン酸で、含有量が多いので強いうま味がでるのが特徴。タンパク質、鉄、リン、亜鉛、カルシウムなど豊富な栄養素を含んでいます。

・だしの取り方(水に対して1%の煮干し)

煮干しはだしを取る前に、煮干しの頭をとり、身を開いてはらわたを取るという一手間を加えることで雑味が抑えられます。

<水出しの方法>

  • 煮干しを分量の水の中に入れる。
  • 冷蔵庫で数時間以上おけば完成。

<火入れしてだしを取る方法>

  • 煮干しを水に入れて30分ほど置く。
  • 鍋に水と煮干しを入れて沸騰させる。
  • アクを丁寧に取る
  • アクがとれたら、さらに5分ほど煮出せば完成。

・干し椎茸だし

干し椎茸だしのうま味成分は、グアニル酸。濃厚な甘みのある味わいが特徴です。

材料は、乾燥した椎茸。和食、洋食、中華と比較的どんな料理にも合います。汁物、めんつゆ、煮物におすすめ。かつおだしや昆布だしとの相性もよいので合わせ出汁にするのもよいですよ。

・だしの取り方(水1ℓに対し干し椎茸30g)

  • ザルに干しシイタケを入れ、流水で洗い流すように水洗いし、汚れをしっかり落とします。
  • 分量の水に干し椎茸を入れる。
  • 冷蔵庫で10時間以上寝かせれば完成。

※干し椎茸のうま味は10度以上で破壊されやすいので、必ず冷蔵庫でだしを取りましょう。

・合わせだし

合わせ出汁は、数種類の素材を合わせて取ったものです。かつお節と昆布の合わせ出汁が人気。素材それぞれのうま味が合わさって風味も増すので、料理の幅が広がります。

・だしの取り方(水1ℓに対し昆布10~20g、かつおぶし20g)

  • 固く絞った濡れ布巾で軽く拭いた昆布を、鍋に入った水に入れてつけ置きする。
  • 一時間ほど置いたら、鍋を中火にかけ沸騰直前で火を止め昆布を取り出す。
  • 昆布のだし汁の中にかつおぶし20gを入れて2分程置く。
  • 布巾などを敷いたザルでこします。
  • おいしい出汁を取るために使う材料の選び方

プロのような本格的な出汁を取るためには、材料選びも重要なポイント。でも、どのような素材をえらんだらよいのか?いまいちわからない方も多いのではないでしょうか。

ここからは、おいしい出汁をとるための材料の選び方をご紹介します。だしのおすすめ商品もありますので、参考にしてみてくださいね。

<かつおだし>

かつおだしの材料といえば、かつお節です。かつお節といっても、さまざまな種類があります。

種類によって、風味や味、出汁の取り方に違いがあるので料理によって使いわけるとよいでしょう。

・薄削りかつお節

薄く削られているかつお節です。スーパーでもよく見かけるタイプで、だしランキングでも上位に。薄く削られているので、すぐに出汁を取れるのが特徴です。みそ汁やおひたしの出汁に向いています。

・厚削りかつお節

だしの味を前面に出したいときにおすすめなのが、厚く削られているかつお節。だしを取るのに時間はかかりますが、濃厚で香り高い風味を楽めます。うどんやそば、煮物など濃いだしを取りたいときにおすすめです。

・削り粉末

粉末状のかつお節です。手軽にだしが取れるので、時短料理におすすめ。粉末状なので、豆腐やサラダのトッピング、ご飯のふりかけにしても使えます。

かつお節には、荒節と本枯節があります。荒節は、かつおの頭と内臓を取り除き、煮る、骨をとる、燻し乾燥させたもの。一ヶ月で完成します。風味は強く、コクのある味わいです。

一方、本枯節は、荒節にカビづけしたものです。カビづけ、乾燥を繰り返し熟成したもので、完成まで半年ほどかかります。カビといっても、良質ですので食べても安全。うま味と風味があり、まろやかで上品な味がします。

おいしいかつおだしにおすすめ!芳醇な風味と手削り風のかつお節「駿河ふぶき」

<昆布だし>

昆布だしの材料である昆布は、利尻昆布、日高昆布、羅臼昆布、真昆布など種類が豊富です。それぞれ特徴がありますので、料理によって使い分けができます。

・利尻昆布・・・甘みのある上品な味わい。香り高く、すんだ色。京料理などで使われる。

・日高昆布・・・コクのある味わいが特徴。濃い味を好む関東の料理に使われる。

・羅臼昆布・・・やわらかい昆布で、味は濃厚。だしの味を活かす料理におすすめ。

・真昆布・・・上品で甘みのある昆布。関西の料理で好まれ、高級料亭でも使われます。

・煮干し

煮干しだしの材料は、片口いわし、真いわし、うるめいわしが代表的です。良質な煮干しを選べば、雑味がおさえられ上品な味わいになります。

煮干しは、青みがかった銀白色のものがよいです。頭や尾ビレがしっかりとついているもので、お腹が盛り上がったりえぐれたりしていないものを選びましょう。背中がくの字に曲がっているものは鮮度が良いといわれています。また、品質がよい煮干しは十分乾燥しているので軽いのも特徴です。

・干し椎茸

干し椎茸は、そのままの形だけではなくスライスしたものや粉末状のものもありバリエーションが豊富です。

良質な干し椎茸は、カサの部分につやがあり、しわが少ないのが特徴。また、カサの裏側は淡い黄色のものが鮮度がよいです。

良質な椎茸を見分けることで、プロのような上品な出汁が取れます。

  • 簡単にだしをとるための方法とは

プロのようなだしを取るのには、材料の選別と丁寧に出汁を取ることがポイントです。でも、本格的なだしを取るのには手間や時間がかかります。

簡単に出汁を取りたい方におすすめなのが、だしパックです。だしパックとは、だしの素材をパックにつめたもので、お湯の中に入れることでだしが取れます。完成するまでは数分ほど。お手軽で時短にもなります。

さまざまなメーカーでこだわりのだしパックが販売されています。だしを取った後のだしがらは、料理のトッピングやふりかけを作ることもできるのも人気の理由。

おすすめのだしパック 本枯節と北海道産利尻昆布の合わせ出汁「一番だしパック」

  • 出汁をつかったおいしいレシピのアイデア

・だし香るふわふわだし巻たまご

本格的な出汁からつくるだし巻たまごは、お店のようなおいしい味わいです。ふわふわに仕上げるこつをおさえれば、プロのような仕上がりになるはず。

<材料>(2人分)

・卵 2個(Mサイズ)

・だし汁 45㎖(かつおだしまたは合わせだしがおすすめ)

・醤油 小さじ1/2

・砂糖 小さじ1/4

・塩 少々

・サラダ油 適量

<作り方>

  1. ボウルに卵を割り、卵白を切るように卵黄と均一に混ぜる
  2. ザルで卵をこす
  3. だし汁、醤油、砂糖、塩を入れてさらに混ぜる
  4. 卵焼き用のフライパンに、サラダ油を丁寧に塗り中火で熱する
  5. 溶いた卵の1/3量をフライパンに流し入れ広げる
  6. 半熟になったら、卵を巻き(奥から手前)、巻き終わったら奥にずらす
  7. サラダ油をフライパンに丁寧に塗り、卵液の1/3を流し入れ、6の作業を繰りかえす
  8. 残りの1/3の卵液まで巻き終えたら、フライパンから取り出し、キッチンペーパーで余分な油を取る
  9. あまり細かすぎずにサイズを整えて切ったら、器にのせて完成

※おすすめポイント

卵は、空気を入れて混ぜすぎると目が粗くなります。気泡をつぶしながら焼くと、きめ細かいふわふわのだし巻卵に仕上がりますよ。

・かつおだし風味の赤味噌ボロネーゼ

(堅魚屋ショッピングサイトより)

イタリアンなパスタに和風の赤味噌が絶妙なアクセントになっています。だしの香りも相まってコクのある味わいに仕上がります。

<材料>(2人分)

・タリアテッレ 2人分

・牛挽肉 200g

・だしパック 1パック

・塩こしょう 適量

・粉チーズ 適量

・刻みねぎ 適量

・セロリ 30g

・人参 30g

・長ネギ 30g

・赤味噌 大さじ1

・ケチャップ 大さじ3

・にんにく1/2

<作り方>

  1. 牛挽肉に塩コショウをし、崩さないように焼き、いったん取り出しておく
  2. 同じフライパンでみじん切りにしたセロリ、人参、長ネギをオリーブオイルで炒め、出汁と赤味噌、ケチャップ、にんにくを入れ少し煮詰める
  3. 取り出した肉を戻して煮込み、塩で味を整える
  4. パスタは茹でておく
  5. できたソースをパスタにかけ、粉チーズと刻みねぎをかける

※おすすめポイント

挽肉をなるべく崩さないようにゴロっとさせると美味しさがアップします!

このレシピにおすすめ!かつおのだしパック「一番だし かつおだしパック」

・さっぱり!鮭とアスパラガスの南蛮漬け

(堅魚屋ショッピングサイトより)

さっぱりとした酸味が食欲を刺激する南蛮漬けもだしの風味でまろやかになります。

暑い夏にもぴったりです。

<材料>(2人分)

・鮭 2切れ

・アスパラガス 2切れ

・玉ねぎ 1/2個(100g)

・だしパック 1袋

・水 400ml

・揚げ油 適量

・片栗粉 適量

・塩 適量

【A】

・酢 大さじ2

・砂糖 大さじ4

・薄口醤油 大さじ2

・輪唐辛子 適量

<作り方>

  1. 玉ねぎは縦に薄切りにし、塩水につけて辛味を抜いて水気をきっておく
  2. 鍋に【A】の材料を入れて強火にかけ、煮立ったら火を止めて玉ねぎを入れる
  3. 水400㏄にだしパックを入れ沸騰したら弱火にして5分程煮出す。だしと②を合わせ(鮭の塩分を考慮して)塩で味を整え漬け汁にしておく
  4. 鮭は食べやすい大きさに切り、小麦粉を薄くまぶし、アスパラガスは斜めに4等分に切る
  5. 揚げ油を180℃に熱し、鮭をからりと揚げ、アスパラガスはサッと素揚げする
  6. 漬け汁に揚げた鮭、アスパラガスを入れて全体にからめ、5分程置く。好みで冷蔵庫で冷やしてもOK(冷蔵庫で2~3日は持ちます)

※おすすめポイント

だしパックにしっかりとした美味しさがあるので、シンプルな調味料でも簡単に味が決まります。冷蔵庫で2、3日は持ちますよ。

  • おいしいだし汁の作り方をマスターすれば料理がワンランクアップ

プロのような料理を作るのにはだしが決め手です。だしは、肉や魚、野菜とさまざまな食材の味を引き立て、献立のバリエーションが増えます。

だしの種類や取り方も多く、ネット販売もされています。だしメーカーのホームページを検索して、カテゴリ一覧からだしの種類や関連情報を探してみましょう。自分好みのだしを見つけたら、定期便を使うのも便利ですよ。

ぜひこの記事を参考にして料理の幅を拡げてくださいね。