だし醤油は、鰹節や昆布などのだしと醤油を合わせた万能調味料です。作り方は好きなだしを選んで醤油に加えるだけ。自宅でも手間なく簡単に作れます。手軽に使えるだし醤油を活用すれば、いつもの料理が風味豊かなワンランク上の味付けになります。

だし醤油とは

日本の食生活において「だし」と「醤油」は、どちらもなくてはならない存在です。その、だしと醤油をひとつにした調味料が「だし醤油」です。

和食の味付けが上手にできない、レパートリーをもっと増やしたい、そんな悩みを持っている方にだし醤油は強い味方となります。使い方を工夫すれば、子供から高齢の方まで、好みに合わせた幅広いメニューで応用できます。

だし醤油を使ったことがない方でも、今日から料理に取り入れられる簡単なレシピやだし醤油の使い方、選び方を紹介します。

●醤油との違いは?

「だし醤油」は鰹節や昆布などのだしを加えた醤油のことです。

醤油と同じような使い方ができ、スーパーでは醤油と並んで販売されていることが一般的ですが、だし醤油は「醤油加工品」となり、醤油とは区別されています。「昆布醤油」や「牡蠣醤油」もだし醤油の一種です。

加えるだしは1種類のものから、2種類以上のだしをブレンドしたものがあり、種類は鰹節や昆布の他に煮干しやあごだし、牡蠣、鮑と多種多様です。

だしの種類により、相性の良い料理が異なりますので、用途に合わせて選ぶと良いでしょう。だし醤油はだしを取る手間なくだしの風味を足せるので、忙しくて料理に時間をかけられないという方にも最適です。

また、だしの風味と旨味でいつもの料理を手軽に格上げしてくれるだけでなく、味に深みが増すことにより塩分を抑えても物足りなさを感じることはありません。塩分を気にされている方はだしを効果的に取り入れれば、無理なく塩分を控えることができるのです。

また、醤油を家庭で作るのは非常に難しいため、ほとんどの方が購入していると思います。一方、だし醤油は市販の商品も数多く販売されていますが、自宅でも簡単に作ることができます。自分なりにアレンジができるのも自家製だし醤油の魅力です。

普段は醤油で味付けをしている、料理に合わせていろいろなだしを時間をかけて準備している、という方も気軽にだし醤油を取り入れてみてはいかがでしょう。

●めんつゆとの違いは?

だしと醤油を合わせたものというと、めんつゆを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。

実はどちらも使っている材料はほぼ同じです。めんつゆはだし醤油よりも砂糖やみりんが多く含まれ、甘みが強くなっています。

だし醤油をめんつゆの代用にすることもできますが、その場合は甘みを足す必要があります。

また、めんつゆも麺料理だけでなく、幅広い料理に応用できる便利な調味料のひとつです。一方でその甘みゆえに向かない料理もあります。炊き込みご飯や、食材に甘みのあるものを使用する場合には、めんつゆで代用すると甘みが過剰になる可能性があります。

その点で、だし醤油は基本的にだしと醤油というシンプルな材料ですので、万能調味料として様々な料理に活用することができます。

その他に類似した調味料として「白だし」があります。白だしはベースの醤油に色の薄い「白醤油」や「薄口醤油」を使用し、だしやみりんなどを加えたものです。料理に醤油の色を付けたくないときに使用します。色の薄い醤油は塩分濃度が高いことが多いため、塩分を気にされている方は「塩分控えめ」と表示のある商品を選びましょう。

だし醤油、めんつゆ、白だしはそれぞれに特徴がありますので、目的に合わせて使い分けることでプロの味に近付けます。

「だし醤油」

醤油にだしを加えたもの。応用のきく万能調味料。甘みが少ないので、料理によってみりんや砂糖を足す必要がある。

原料の醤油、だしの種類で風味が異なるので、料理に合わせて使い分けるとよい。

「めんつゆ」

蕎麦やうどんなど麺料理のつゆとして、そのまま又は薄めて使用する。甘みが強いので、煮物などにも応用できる。

使用されているだしには鰹節、昆布、あごだしなどがある。

「白だし」

色の薄い、白醤油や薄口醬油をベースにだし、みりんを加えたもの。料理の色に影響を与えることなく味付けができる。

塩分濃度が高めのことが多いため味付けの際に注意が必要。

だし醤油の作り方3選

だし醤油は家にある材料で簡単に作ることができます。一度作っておけば、毎日活躍してくれること間違いなしです。

●基本的なだし醤油

鰹節と醤油だけで作るシンプルなだし醤油のレシピです。すっきりとした旨味で、醤油と同じようにどんな料理にも使えます。鰹節の香りを生かすには、そのままかけて使うのがおすすめです。

【材料】

  • 醤油200ml
  • 鰹節10g

【作り方】

  1. 蓋つきの清潔な容器に醤油と鰹節を入れます。
  2. 蓋をして冷蔵庫で1~3日おいて鰹節を取り出します。

取り出した鰹節はごはんに混ぜ込んでおにぎりにしたり、フライパンで炒って水分を飛ばし、ゴマや海苔を混ぜるとふりかけになります。

このレシピにおすすめの商品はこちら

香り高い焼津の鰹節です。トッピングにも。

だしの基本 金印花かつお62g (katauoya.com)

●昆布のだし醤油

昆布と醤油で作る昆布醤油です。「自宅に昆布はあるけど鍋物のだしに使うぐらいで、使い切れない」という方もいるのではないでしょうか。家に余っている昆布で、まろやかな美味しいだし醤油ができますよ。

【材料】

  • 醤油200ml
  • 昆布5g

【作り方】

  1. 昆布は固くしぼったふきんやキッチンペーパーで軽く汚れを拭きとります。

(旨味が流れてしまうので水洗いは厳禁です)

  1. 蓋つきの清潔な容器に醤油と3cmほどにカットした昆布を入れます。
  2. 蓋をして冷蔵庫で一晩以上おきます。
  3. 昆布は取り出さずに、醤油を継ぎ足して1週間ほど使えます。

漬け込む時間が長くなるにつれ、醤油に粘りが出てきます。

一晩おいて昆布を取り出せば、2〜3週間日持ちします。

●合わせだしのだし醤油

酒やみりんを加え、より深みのある味わいのだし醤油です。そのままかけて使うほか、煮物や麺料理におすすめです。

【材料】

  • 醤油200ml
  • 酒50ml
  • みりん50ml
  • だし昆布10g
  • 鰹節10g
  • 干し椎茸1枚

【作り方】

  1. 醤油、酒、みりんを鍋に入れ中火でひと煮立ちさせて、アルコールを飛ばします。
  2. 昆布と干し椎茸は固くしぼったふきんやキッチンペーパーなどで軽く汚れを拭きとります。昆布は3㎝ほどの大きさにカットし、椎茸は3〜4等分に割ります。
  3. 蓋つきの容器に昆布、干し椎茸、鰹節を入れ、粗熱を取った1を注ぎます。
  4. 蓋をして冷蔵庫で一晩おいて、ざるやキッチンペーパーで濾してだしを取り除きます。

取り出した昆布や干し椎茸は佃煮にしたり、細かく刻んで炊き込みご飯の具材になります。

醤油に漬け込む材料は、他にも干し貝柱や煮干しなどをプラスしてお好みでアレンジが可能です。いろいろな材料を試して、自分好みのだし醤油を見つけるのもいいですね。

手作りのだし醤油は冷蔵庫で保管し、2〜3週間で使い切るようにしてください。

もっと簡単にだし醤油を作りたい方におすすめの商品はこちら

厳選した鰹節を惜しみなく使っています。醤油を注ぐだけで本格的なだし醤油ができあがります。

鰹節屋が節から作った だし醤油の素(2片) (katauoya.com)

だし醤油の選び方

だし醤油は醤油の代わりに使用するだけで、だしの風味豊かなワンランク上の味付けが叶う、とても使い勝手の良い調味料です。

市販の商品も大変種類が豊富ですので、使ってみたいけどどれを選べばよいのかわからない、どんな料理に使えばよいのかわからない、そんな方も多いのではないでしょうか。

だし醤油のベースになる醤油は一般的に、濃口・薄口・再仕込・たまり・白など、熟成期間等で分類されています。加えてだしの種類も多数ありますので、組み合わせによってだし醤油の風味は大きく異なります。

醤油とだしの全てを把握するのは難しいと思いますが、普段使うだしの特徴を知っておくことは、和食を理解することにも繋がります。覚えておいて損はないですよ。

●鰹節を使っただし醤油に合う料理

鰹節は日本の代表的なだしと言えるでしょう。香り高くすっきりとした旨味で、どんな料理にも合わせやすく、豊かな風味に仕上がります。鰹節のだし醤油はだしの香りを生かしたい料理に向いています。

【おすすめの料理】

  • 卵かけご飯

ご飯に卵を混ぜ、だし醤油で味付けをしたシンプルなものも美味しいですが、卵の黄身をだし醤油に漬け込み、ご飯に乗せて食べるのもおすすめです。

  • 焼きおにぎり

焼きおにぎりはご飯に鰹節を混ぜ込むと更にだしの香り豊かになります。

焼きおにぎりにはこちらの商品もおすすめ。

人気の食べる調味料。調味料選手権しょうゆ部門最優秀賞受賞の自信作です。

【ご飯のお供】鰹節屋がつくった食べるだし醤油(140g) (katauoya.com)

  • 冷ややっこ
  • 浅漬け

浅漬けにおすすめの野菜はきゅうり、大根、かぶなど。好みの大きさにカットした野菜とだし醬油を保存袋に入れてもみ、30分ほどで食べられます。

  • おひたし
  • お吸い物
  • 釜玉うどん

茹でたうどんに卵とだし醤油を絡めて食べる釜玉うどんは、納豆を足したりと様々なアレンジが可能です。

  • 納豆
  • ハンバーグ

大根おろしとだし醤油で和風ハンバーグに。

●昆布を使っただし醬油に合う料理

昆布だしは上品で優しい味わいのだしです。昆布のだし醤油のカドの無いまろやかな風味は、煮物や鍋料理など、素材の味を生かした料理に向いています。「昆布醤油」として販売されていることが一般的です。

【おすすめの料理】

  • 煮物

水で薄めて、お好みの具材を煮るだけです。昆布醤油を手作りした場合は、使用した昆布を一緒に煮ることもできます。

  • おでん
  • 鍋料理

だし醤油を水で薄めるだけで寄せ鍋はもちろん、もつ鍋にも合う鍋つゆになります。湯豆腐のたれにもおすすめです。

  • 炊き込みご飯
  • 漬け丼

まぐろやサーモンなど、お好みの刺身を10分ほどだし醤油に漬けてご飯に乗せるだけです。ごま油を混ぜたり、アボカドを一緒に載せてポキ丼風にアレンジするのもいいですね。

●鰹節と昆布のだし醬油に合う料理

鰹節と昆布の組み合わせはだしの王道と言えるでしょう。「だし醤油」として販売されている商品には、この鰹節と昆布の合わせだしが多く見られます。鰹節の旨味成分である「イノシン酸」と、昆布の旨味成分である「グルタミン酸」が相乗効果により、単一で使用した場合よりも旨味が増すことがわかっています。あらゆる料理に合いますので、だし醤油を初めて使う方におすすめです。

【おすすめの料理】

  • 卵かけご飯
  • 炒め物

だしの風味で野菜炒めもひと味違うものになります。

  • 煮物
  • 親子丼
  • 麺料理

水とみりんを加えるだけでだしのきいためんつゆが完成します。焼きうどんの味付けもだし醤油ひとつでOK。うどんやそば以外にも和風パスタやラーメンにも使えます。

【おすすめレシピ】

〈まぐろのだし醬油・ごま油漬け〉

だし醤油で旨味が増します。ご飯に乗せて丼にするのもおすすめ。日本酒との相性も◎

材料

  • まぐろ(刺身用)100g
  • 大葉2枚
  • だし醤油大さじ2
  • ごま油大さじ1
  • ごま適量

作り方

  1. まぐろは一口サイズにカットし、大葉は細切りにします。
  2. だし醤油、ごま油、ごまを混ぜ合わせます。
  3. まぐろを2の調味料と和えます。
  4. 保存容器に入れ、冷蔵庫で冷やして完成です。

このレシピにおすすめの商品

こだわりのだしをたっぷりと使っていますので、テクニックいらずで味が決まります。

鰹節屋のだし醤油(200ml) (katauoya.com)

サイト内には他にも様々なレシピを掲載しております。食材、調味料で検索して頂けますので、是非ご利用ください。

また、商品に関してのお問い合わせもお気軽にお寄せください。

●その他のだし醤油の特徴

「あごだし」

「あご」とはトビウオのことを言い、九州地方で一般的に使われているだしです。近年、焼きあごを使用しただし醤油が広く販売されるようになりました。クセがなく上品な味わいで、うどんのつゆ、おでん、鍋料理、だし巻き卵に向いています。

「牡蠣」

牡蠣のエキスを醤油にブレンドした「牡蠣醤油」は、コクのある濃厚な旨味が特徴です。牡蠣特有の風味を生かした料理に使うのがおすすめです。特にチャーハンや炒め物は醤油を牡蠣醬油に変えるだけでワンランク上の贅沢な味に仕上げることができます。他にも煮物や卵料理など、幅広いメニューに使用できます。

「うに」

うに醤油は醤油に練りうにや粒うにを混ぜたものです。最近スーパーや百貨店で販売されているのをよく目にするようになってきましたが、その高級感から他のだし醤油とは一線を画しています。他のだし醤油がサラッとした液体なのに対し、うに醤油はとろみのあるソース状で味も濃厚です。うにの風味をふんだんに味わうには卵かけご飯が一番です。また、イカや白身魚などの淡泊な味の刺身とも相性が良く、焼きおにぎりやパスタの味付けにもおすすめです。

昨今ではだし醤油の種類も実にバラエティー豊かです。ここで紹介したもの以外にも各社が様々なだし醤油を販売しています。卵かけご飯に特化したもの、地域の特性を生かしたもの、いろいろなところでだし醤油の情報を入手できますので、気になるものがあれば試してみてはいかがでしょう。

だし醤油をおすすめする5つの理由

ここまで様々なだし醤油とその使い方を紹介してきました。最後にだし醤油がおすすめの調味料である理由をまとめましたので参考にしてみてください。

●手間なく簡単

醤油、鰹節など、家にある材料で簡単に手作りできます。時間の無い時でもだしを取る手間が省け、時短になります。使い方は醤油と同じように、かけたり、料理の味付けに使うだけ。

●プロの味に近づけられる

市販のだし醤油を活用すれば、家庭で手軽にプロの味に仕上げることができます。市販されている商品は、醤油、だしにこだわった材料を使用し、バランスの良い完成された状態になっているためです。「和食の味付けは難しいから苦手」と思っている方でも、醤油をだし醤油に変えるだけで楽に料理を格上げできます。

●オールマイティに使える

原材料になっている醤油とだしの種類が豊富なので、組み合わせによりあらゆる料理に合わせることができます。和食にしか使えないと思われがちですが、実は中華料理や洋風料理と相性の良いだし醤油もあります。牡蠣醤油はチャーハンや中華風の炒め物によく合いますし、だし醤油はマヨネーズとの相性が良いのでドレッシングや和え物にもおすすめです。

●塩分を控えられる

だしの風味と旨味で食べた時の満足感がありますので、塩味(えんみ)を抑えても物足りなさがありません。健康を気にしている方も無理なく、塩分を控えることができます。だし醤油を購入する際も「減塩」や「塩分控えめ」と表示された商品を選ぶと良いでしょう。手作りする場合にはベースの醤油を減塩醤油にします。

●ギフトにおすすめ

すでに、だし醤油がいかに万能な調味料かおわかりいただけたと思います。使う人を選ばず、あらゆる料理を簡単に美味しくするだし醤油は贈り物としても大変喜ばれます。雑誌のお土産特集やショッピングモールのギフト特集では必ずと言っていいほどランキングにだし醤油が含まれています。料理が得意な人、苦手な人どちらも便利に使えますし、牡蠣醬油やうに醤油のような高級な商品は誰からも喜ばれるのではないでしょうか。好みがわからない相手への贈り物に頭を悩ませているのであれば、だし醤油を選択肢に加えてみては?